【作品創りにおけるこだわり】
京都瑞鳳堂の作品は伝統に則り、手作りにこだわり、一つの作品を創ります。
例えそれが小さなパーツであったとしても、妥協を許さず創ります。
さて、この写真の中にあるものはいったい何でしょうか?
「つまみ」と呼ばれるこのパーツは蓋の上に取り付け取手となります。
銀瓶の胴よりもはるかに小さなつまみを持ち、少しずつ、少しずつ形を整えていきます。つまみを蓋に付けるための部品までも、すべて手作りで作り上げます。
なぜこの様に細かく、手間のかかることをするのでしょうか?
それは、ただ伝統を貫くためなのでしょうか?
一つ一つ細かな作業を行うことで、手仕事ならではの温かみ、味わいが生まれます。また、機械では作ることのできない複雑で繊細な形を作ることができ、胴や弦などそのほかのパーツとの統一感が出ることで、作品に更なる美しさを持たせることができます。
先人たちが機械の無い時代にやってきたことを、今の世でできないことはないのです。
ただ、時間や労力、そして精神力が必要となるため、努力を惜しまず一つの作品を作り上げることのできる人が減り、これらの伝統技術は失われつつありますが、そんな中で創られた作品には相応の価値があるということを忘れてはなりません。
だからこそ京都瑞鳳堂は、この素晴らしい伝統技術を守り抜き、価値を落とさぬよう後世に伝えていきたいと思っているのです。